※ネタバレを含みますので、閲覧にはご注意ください!!

(花とゆめ 2016年18号掲載)

コレットは目を覚ますと、見慣れた冥府の天井が目の前に広がっていた。

あら?
えっと、街について井戸にとびこんで…あ、そこから記憶がない。

人間界の井戸からつながっている冥府。冥府を治める冥王ハデスに会いに来たものの、
旅の疲れから、すっかり寝入ってしまったのだった。

ひとまずハデス様の部屋へと走り出すコレット。
冥王ハデスは裁判へと向かう準備をしていた。

「あっ、みんなハデス様」

ハデスの元へと駆け寄るが、途中足に痛みを感じてその場に倒れてしまう。

「!コレット」

ハデスが駆け寄りコレットをゆっくり起こす。

「…お前自分の足を見たか?」
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「あの私、寝ちゃったみたいで…ハデス様裁判から帰ってきたところですか?」

隣に仕えていた従者が答える。
「何を言う。今から裁判にいらっしゃるのじゃ!とっくに日付変わって夜明け前じゃぞ!」

「!?夜明け!?」

そんなに寝てたのか…と大反省するコレット。

「別に構わん。それより、お前今日は歩けんだろう。このまま冥府にいたらどうだ。必要なものは手配する。」

「えっ、ででも」

「ああやはり、地上の診療所でなければ治療ができぬか。」

治療は薬箱で十分にまかなえるが、冥府にいては迷惑をかけると断るコレット。

「そんな状態で目の届かんところにいられる方が嫌だ。お前は冥府は嫌か?」

驚いたように、全力で否定する。
そんなわけないっ。

「……お、お世話になります。」

ハデスはそのまま裁判へと向かった。


「コレット!お前の世話は私がするぞ!」
意気揚々とやってきたのは、ハデスの従者ハリー。

ハリーのものすごい看病で、すっかりピカピカのコレット。
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謝るコレットにハリーは答える。
「だってコレットも生き物じゃろ?怪我するときくらいあるん。だからそういう時は遠慮しなくていいのん。」

コレットは薬師でいつも看病する側の人間。自分が患者になるって少し居心地わるい。
「ありがとうハリー」

コレットはそのまま静かに眠った。



しばらくしてコレットが目を覚ますと、従者たちが夕食の準備をしていた。
足以外元気だと、芋の皮むきを手伝う。

「…しかしそうか、今宵はハデス様一人きりのお夕食ではないじゃな。ハデス様にお食事をお楽しみいただけるよう、務めるのが私の仕事。…だがのう、いつもお一人の晩餐。これだけはどうしても工夫できんでの。」

コレットは不思議そうに尋ねる。
「…皆で食べればいいんじゃない?」

「我らは食事をとらんのじゃ。」

「食べてない人は席についてはいけないの?」





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ハデスが帰宅すると、豪華な料理と従者たち、コレットが並んでいた。

ハデスはシェフにおいしいと伝える。
「…いつも一人の食事故、うまいと思っても独り言になる。たまにはいいものだな、こんな夜も。」

シェフは歓喜のあまり倒れる。笑

ああ…この雰囲気。
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明るい…ハデスは何か想いを馳せる。

「よしっ、ごちそうさまでしたっ。」
部屋に戻ろうとするも、歩けないため従者の肩を借りようとしたその時、
コレットの手に大きな手が触れた。

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コレットのことを好きだと自覚してから、ハデスさまのアプローチがはじまりましたね。
早く両想いが叶うといいな。