「この人は、私の運命。 ”縁”よりももっと強く――大好きな人」image1
Story
時は明治―――春。

老舗呉服屋の店主・藤島津軽は無理やり連れてこられた遊郭で、
ひとりの少女と出会う。

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没落華族の娘、桐院鈴子。
姉の夕香と共に遊郭へ売られ、禿として働いていた。


「そう、遊女が死ぬなんて、よくある話。紙よりも軽い命。」
誰もがそう言う、世界。

そんな世界で、鈴子は毎日見ていた。
お嬢様だった姉が、好きでもない男に抱かれ、身体も心も壊れていく様を。


津軽は鈴子と出会ってから、たびたび遊郭へ足を運んだ。
彼女のふとした折に見せる複雑な表情が気になっていた。
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君は何を抱えているんだ?
力になりたい。

鈴子は少しずつ津軽に気を許していく。



とある晴れた日、いつものように仕事が始まる前。
姉・夕香は鈴子にお菓子を差し出した。

「鈴は大きくなったわよね。やがて仕事をしなきゃならないわね…。かわいそうな鈴子。でも、大丈夫姉さんがついてるからね。さあ召し上がれ。」

鈴子はわかっていた。
―――――ああ、やはり姉さんは私を殺そうとしているんだ。


鈴子は毒入りのお菓子を口に含んだ。
その時、姉の計画に気が付いた津軽が部屋へと押し入ってきた。
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「ねぇ、藤島さん。この子…頭のいい子でしょう。器量も私よりずっといい。なのに大人になったら仕事をするようになるんです。不幸でしょう。死んだほうがましでしょう。」

夕香は立ち上がり、窓へと向かった。

「ええ、もちろん一人では逝かせません…」
止めに入った津軽も間に合わず、笑顔のまま夕香は窓から身を投げた。



鈴子は毒入りのお菓子を食べてはいなかった。
むくりと起き上がると、窓を見つめて言った。

「姉さんが望むなら一緒に…でもやっぱり死にたくなかった。」
鈴子の目から涙がこぼれ落ちた。


「だって、知ってるもの…」
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「―――うん」
津軽はひとり戦う鈴子を優しく抱き寄せた。


「幸せになるわ。見返してやるの。負けないわ…」
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津軽はこの日をきっかけに、鈴子を身請けを決意する。
親に頭を下げてまで大金を工面した。

「あの子が外に出たいって泣いてきた時、私はどうしても叶えてやりたくなったんだよ。
たぶん私はあの強く前を見る目に、心奪われたんだと思う。」


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”縁”よりももっと強く――大好きな人

津軽の趣味「さがしもの屋」の助手として、大活躍する鈴子。
彼と共に生活する中で、想いはどんどん積もっていく。


Comments
津軽にぞっこんの鈴ちゃんがとっても可愛いです。
そして、鈴子のことを家族のように大事に想っている津軽の行動や発言が胸キュンです。
「強い瞳に魅せられた」たったその理由で借金までして遊郭から彼女を救い出した。
運命の出会いって本当にあるのかも、と思いました。
続編の「明治メランコリア」もぜひ合わせて読んでみてください。
大人になった鈴子と津軽の恋愛模様が見られます!




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