※ネタバレを含みますので、閲覧にはご注意ください!!

夢みたものは (花とゆめ 2016年15号掲載)

うう…ハク…せつない…

ヨナの簪を手にして、ハクは遠い昔のことを思い出す。
スウォンと共に城へと向かう道中。ヨナのところへ一緒に行こうと誘うスウォン。
しかし、ハクは自分は行かないと言い張る。


「姫さんのこと…好きなのか?」
「好きですよ」

何の迷いもない即答にハクは驚いた。

「あとハクも好きですし、ムンドク将軍も好きですし、ジュド将軍も好きですし、グンテ将軍も」

「いや、俺が言ってるのはそういう意味じゃ…」

「人って興味深いですよね」
広い空を見上げながら、楽しそうに言った。そんなスウォンを見てハクは尊敬した。
こいつは嘘偽りなく本当に平等に人が好きで、興味があるのかもしれない。俺には苦手な人間がたくさんいて、許せないことも多いけど、お前はもっと遠くを見ているんだな。



目がさめると、龍たちと天幕の中。
外へ出るとユンが既に起きていた。

「早いね」
「ゼノに蹴られて起きた」

ハクはふとユンにヨナの荷物…あの簪の入った袋を渡し、ヨナに返すように頼んだ。
ユンはわかったと、そのままカバンに詰めて山菜採りに出かけた。

しばらくして…

うわぁぁっ

叫び声が聞こえたと同時にユンが駆け寄ってきた。涙目のユンはハクに告げた。
「どうしよう!ヨナの荷物を谷底におとしちゃった。」

近くにいた龍たちも合流して、落とした場所に向かうと、谷底に流れる川のすぐ横の木にその袋がひっかかっていた。

「ヨナには大事なものなんだよね?」
ユンの質問に下を向いたままハクは答えた。
「そうだな…」

龍たちはじゃれ合いながら、袋を拾おうとするも上手くいかず。笑

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結局ハクが降りることに。
「その簪はハクにとっても大事なものなのかい?」
ハクの様子を見て、ジェハがたずねた。

「正直へし折ってやりてぇよ」

ユン達はハクの表情に何かを察した。

「まさか…あの簪ってスウォン国王にもらったもの…とかじゃないよね?…」

ハクは下を向いたまま何も答えない。

「なにそれ…」
ユンは泣き出しそうな複雑な表情を浮かべた。
「…っ、どうしてヨナはそんな簪を持って…」
ユンは以前、簪を取り上げた時のヨナの形相を思い出した。ひどく強張った顔だった。

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「雷獣が無茶することないよ、俺がヨナに正直に言って謝ってくる」
ハクはユンの頭をクシャっと撫でて、なにも言わずに谷底に降りて行った。

姫さんがスウォンを好きだとか、そんなことはいい。そんな事はずっと前から知ってる。

俺が1番…
俺が1番許せないのは…

スウォン、あの日お前がイル陛下を殺す前に、姫さんに簪を贈ったことだ。

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ハクは足を滑らせ、川へと落ちた。


広い視野を持った奴だと思った。
権力や部族関係なく、公平な目で世の中を見れる奴だと。
お前に…お前に王になって欲しかった。
そして俺の夢は最悪な形で叶ったのだ。

どうして
どうして
どうして

姫さんに簪を渡したその足で、イル陛下を殺しに行けた?
あの時あんなに幸せそうな姫さんの顔を見て、お前は何も感じなかったのか?

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姫さんをも殺そうとしたお前を見て、

俺は…
心が散り散りになるほど
悲しかった




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ゼノはすかさずツッコミを入れる。
「みんなこう見えてまだまだ子供だから〜」

川に流されたハクを助けに何故か全員川へ飛び込んだのだった。結局みんなを引き上げたのはジェハ。

簪を見て、全てを察したユンはつぶやいた。

「本当に…辛い思いをしたんだね…ヨナは…ヨナの痛みを思うとやりきれない」

龍たちの表情が曇った。

「簪をどうするかはヨナが決める。それでいいんだよね雷獣」

ハクは静かに頷いた。



ハクの思いがツライ…
そしてユンくんの優しさに胸が打たれました。。





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2015-12-23