「お前は私の薬師 誰が来ようと渡すものか
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コレットは死ぬことにした colette ha shinukotonishita
幸村アルト


Story:

「神様、私は何のために頑張っているんでしょう?」

薬師として独り立ちして数年、寝る間も食事する間もない。
あまりの忙しさに限界を感じているコレット。

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薬師は人を助ける側だから、誰にも助けてもらえない。

ふと井戸にもたれかかっていると、中から風が吹いてきた。
そういえば、井戸は別の世界に繋がっているっていう伝説、あれって本当かしら…
どこか遠くへ行ってしまいたい…

コレットはふらふらしながら、そのまま井戸へと身を投げた。


目を覚ますと、そこは暗闇の地下牢の中。
ガイコツが話しかけてきた。
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薬師だということがばれると、コレットは冥王のもとへと連れて行かれた。
冥王ハデス様はどうやら病にかかっている様子。

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肌が出ているところだけ赤く腫れている。…アレルギーの類か?
コレットの制止も聞かず、ハデスは苦しみながら仕事へと向かった。

冥王ハデスは死んだ人間を裁判にかけて、天国行きか地獄行きかを決める。
途切れることのない死者の魂。
もちろんハデスに休みなどない。

病の原因をハデスは自覚していた。
太陽アレルギー。
長い間地下に暮らしている体が陽の光に耐えられなくなっていた。
久々に地上に出た時に知ったのだと言う。

「わかるか?冥王が弱点を持ってしまった。牢の者たちはおろか家来にも言えぬ。」

「…私に出会わなかったら、苦しみが通り過ぎるまでひとりで我慢するつもりだったの?」

「そうだ」

この人を見ていると何かを思い出す。
そうか…この人は私だ。

「どうして我慢できるんですか…私は…」

できなかった。
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ハデスはコレットを冥府で唯一花の咲く場所へと連れて行った。
そこは、天国へ上る魂達がいる場所。
ハデスはここを守るために、あらゆる痛みにも耐えるのだという。

一人の魂がコレットの元へやってきた。
「私、生前あなたに病を治してもらったことがあるんですよ。
あのときはどうもありがとう。」

ああ、わたしは見逃していたのかもしれない。
誰かが私へ向けてくれた言葉や笑顔を。
コレットは地上へ戻って薬師の職を全うすることを決意する。

「よいかコレット。死後裁判でこの冥王に対して、胸の張れる人生を全うしろ。」


コレットは地上と冥府を行き来する薬師となる。
ハデスの治療を続けながら、次第に2人の距離は近づいていく。
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冥府に温かい風を送りこむ、コレット。
今の私があるのは、私が手離してきたものをお前が拾ってくれたからなのだな…
お前と出会わなかった未来など想像できない。

ハデスは彼女に対する想いが特別なものだと気づく。
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人間と不老不死の神。
割り切って付き合わないと、一緒に生きていけないことが辛くなる。
果たしてハデスはコレットに想いを伝えるのか。



Character:
コレット Colette
ワーカーホリックな薬師。
冥府と地上を行き来する。
頑張れない弱い自分を受け止めてくれるハデスに心を許している。

ハデス Hades
冥府を司る神。
神々の皆が嫌がる冥王の仕事に、責任と誇りを持っている。
家来からの信頼があつい。
女神達が寵愛を受けようとアタックするも一切取り合わず、コレットだけに想いを寄せていく。

ゼウス Zeus
天界を司る神。ハデスの弟。
天・海・冥府どこを治めるか、3兄弟でくじ引きした際、
ハデスにわざと冥府が当たるように細工したことを、ずっと後悔している。
コレットに手を出して、ハデスの怒りを買うも、彼女のおかげでハデスと和解することができた。
兄上大好き。

デメテル Demeter
豊穣の神。ハデスの姉。
ハデスのことをとても心配し、大事に想っている。
彼に大事な人がいると知って、一番に喜んでいた。
ちょっとうっかりさんで、ハデスに想い人がいることを皆にばらしてしまう。
弟大好き。

ポーラ&セラ Pola & Cella
コレットのお手伝いをする見習い薬師。
立派な薬師を目指して、日々前向きに修行に励んでいる。


Info:
花とゆめにて連載中。

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