※ネタバレを含みますので、閲覧にはご注意ください!!

揺らぐ心 (BELOVE 2016年18号掲載)

春時兄様ー><。。


津軽の表情に、胸がぎゅっと締め付けられる鈴子。

なんだろうこれ。どうしたのかな。

「お参りでもしていこうか…」

「そ…そうですね」

私まで照れることないのに、深い意味はないシェイクハンドだし…。
津軽もずっとそわそわ、鈴子の隣をゆっくり歩く。
鈴子はふと木々に小鳥が二羽とまっているのを目にして、表情がほころんだ。

「小鳥二羽!かわいい」

津軽はそんな鈴子の表情に引き込まれるように、彼女を見つめて言った。

「そうだね、かわいい…あ」

途端、津軽を振り返った鈴子と目が合う。

「小鳥、あっちですよ?」

津軽は手で顔を覆って、これは結構恥ずかしいな…とつぶやく。

え?私を見て言ったの?
これ、どういう態度をとるのが正解?
昔の私はどうしてた?この人ってこういう人だったの?なんだか感じが違う。
そわそわしてしまう…。

2人はお参りを終え、帰路についた。

「わざわざ送ってくださってありがとうございました。それじゃあ…」

津軽が呼び止める。
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ああ…そわそわ、ざわざわ。
手瑠璃、手茉莉と甘味を食べるひととき。
鈴子はあんみつをぼたっと落とすも、心ここにあらずでまったく気づかない。
ぼーっと津軽の事を考えている。

「落ちましたわよ鈴子さま…何があったのかしら?」

手茉莉は鈴子の表情から察した。
「はっ、もしや、津軽様と何かありました?」

「えっ、何も!!!」
慌てる鈴子。紅葉を一緒に見に行っただけだと答える。

「津軽様のことで頭がいっぱいなんですわねー♡」

しかし、鈴子は春時のことも気にしていた。口づけしたあの日からまだ二人で会えていない。
あの時のことをちゃんと聞きたいのに。

手瑠璃は真剣な表情で鈴子に問う。
「実際鈴子さまは春時さまのことどう思っていらっしゃいますの?春時さまの想いわかっていらっしゃるんですよね…?どうするおつもりですの?」

鈴子は口づけの後の、春時の暗い表情に想いを馳せた。

「それがね…ちょっとわからなくなって。私の事…つらいのかな…って。」

手瑠璃は猛抗議する。
「そんなわけないですわよ!春時さまは鈴子さまのこと好きなんですから!春時さまが辛いとすれば…鈴子さまがいつまでもどっちつかずのままだからですわ!」

手瑠璃!?と手茉莉は驚いた表情で彼女の裾を引く。

「鈴子さまは記憶がないんですのよ…そんなにすぐには…」

手瑠璃は下を向いた。
「春時さまがおかわいそう…」

手瑠璃と手茉莉は鈴子を甘味屋にひとりおいて店を飛び出した。
手瑠璃は春時が言った言葉を思い出す。
どうせなら俺の記憶がなくなれば良かった…
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一方、鈴子は手瑠璃の言葉に背を押され、春時を訪ねる。
鈴子は春時の出したお茶を口に運んで、一気に飲み干した。
気持ちを少し落ち着けると、話を切り出す。

「えっと…今日はいろいろとちゃんと話そうと思ってきました。私…春時さんのこととても好きだなって思ってます。」

鈴子は春時の過去を思い出す。
「目が覚めた時から、いろいろ気を遣ってくださって、紳士的で優しくて、何より私の事を思ってくださるのがわかって、嬉しくて。…昔の私は違っても、今の私は春時さんのこと好きなんだって。…だからあの時も驚いたけど…幸せな気持ちでした。」
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「私、ちゃんと思い出します、これで思い出したうえで春時さんの望むことを…」

あ…れ…?
鈴子は急に眠気に襲われた。
視界がぐにゃっと揺るぐ。何…急に…眠気が…。

「望む…えーと…こと…ん…」

鈴子はろれつが回らなくなる。
春時はその様子を冷静な表情でみていた。

「鈴子、お前は少しも悪くない。悪いのは自分を信じることのできない俺だ。」

鈴子はその場に倒れこんだ。すやすやと寝息を立てている。
春時は一連の事件の折の、津軽とのやりとりを思い出す。
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春時は、その場で眠っている鈴子を抱き上げた。
彼女の口元に顔を寄せる。

鈴子、俺は…

どうしたら、よかったんだろう



春時が向かった先に立っているのは……ひな。

「決心してくれた?」

「ああ、言っとくがおまえに従うわけじゃないからな」

ひなはくすっと笑った。
「私は全部わかってるよ。私たちはとてもよく似ている。本当は人より願いも思いも欲張りなのよね。」

ひなは春時をまっすぐに見た。
「私は欲しいものを手に入れたいだけ。春時くんあなただってそうでしょう?」




鈴子は夢を見ている。
小さなころの夢。
闇の中、誰かを探している。

「すみません、あたし誰かを探していたみたいなんですけど、知りませんか?今日は七夕。その人の願いごとを飾らないといけなくて、何かを望んだりしない人だから…あたし…」

春時が出てくる。
「鈴子、鈴子の願いが叶えばいいよ。知ってるだろう俺は何かを願ってはいけない人間だから。」

またそうやって、いつもいつも…
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ついに鈴子の記憶が戻りましたね!
全部思い出したのかはわかりませんが。

春時にいさま…ひなと組むなんて…ショック。
また一人抱え込んで間違った選択を選んでしまいましたね…
津軽はやく鈴を助けてあげて…
次号が待ち遠しい。



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