※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください

Story  
お大事に (ザ花とゆめ 2017年3/1増刊号掲載)
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ジェハとゼノは食事の準備の手を止めて、ユンに注目する。

「なんだい?それは」

「一見素敵な報告」

リクエストしたのはゼノ。

「はい、とある商人さんから、おいしい飴をもらいました」

「へえ、よかったね。じゃあ、めんどくさい報告は?」

「あちらをご覧ください」

ユンは背後を振り返って、指をさす。
そこには、ヨナ・キジャ・シンアの姿が。

「飴を食べた3人が、凶暴化しました」

「うわあ、びっくりする程めんどくさかった」
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ジェハは、突っ込まざるを得ない何かに気付く。

「えっと…ちょっと待ってちょっと待って、キジャ君やシンア君の後ろで、一心不乱に木をボコボコにしてるのは…」

「暁のヨナさんです」

無言の空気が流れる。
ゼノは楽しそうにニコニコ微笑んだ。

「娘さん、すっかり野生に帰ってるから」

「いや、あの子の帰るべき場所は野生じゃないでしょ。いいの?暁のヨナちゃんはあれでいいの?」

ジェハはユンに確認する。

「その飴、危ない薬じゃないよね?」

「有害なものじゃないと思うんだよ。白龍の里の商人がくれたのど飴だし」

「それ前に惚れ薬売ってた人じゃないの?」

ジェハは襲い掛かる3人に応戦する。

「よりによって、ハク不在の時にっ」

キジャやシンアの攻撃をひらりとかわすも、背後にもう一人の気配が…

「・・・・・・・・・・・」
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「しかも、振り向くとすごい速さで距離とるし。」

「高華の雷獣に、毎日稽古つけてもらってるからね。ヨナはハクが帰る前に何とかした方がいいよね」

3人は意味不明な行動でぐるぐる回っている。

「そのうち、三人合体しそうだ…」

「ん、じゃあ青龍はゼノが何とかするから」

「ゼノ君が?」

ゼノはシンアに向かって、声をかけた。

「おにぎり食べたい人、おすわり!」

すっと、シンアが正座になった。

「シンア君座ってる!!しかも、ちょっぴり抗ってる!!」

ユンも感動する。

「暴れたいけど、何を置いても食う優先なんだね」


ジェハは考えた。
成程、それなら…

「キジャ君、足元に虫!!」

声を聞くや否や、キジャがジェハにガバッと縋りついた。
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「出発!!」

「どこに…」

「虫のいない世界へ!!はやく!!」

「僕は乗り物じゃないよ…」

「よし!あとはヨナだけ」

ユンは米をとぎながら、意気込む。

「うーーん、ヨナの弱点ってなんだろう」

「女の子の弱点を探るもんじゃないよ」

「でも、このままだとヤバいよ、ヨナが!いろんな意味で!」

その間も、ジェハにドスドス拳をくらわすヨナ。

「僕が殴られて済むなら、いくらでも殴られてるんだけどね」

「ジェハはヨナに殴られたいだけでしょ」

ゼノはその様子をみて、ふふっと笑いながらヨナに声をかけた。

「娘さん、そろそろ兄ちゃん帰ってくるから」

ヨナの動きが一瞬、ピタッと止まる。

え…
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「勢いが衰えたよ。ゼノ!何かヨナの気をそらす言葉を!」

「気をそらすつってもなー…うーん。。娘さんは、風邪の部族を出る時、兄ちゃんと別れるのが嫌で、”私にハクをちょうだい”って掴みかかってたから」

ヨナが顔を両手で覆って、震え出した。

「あっ…ヨナが、悶えてる…?」

「他にも、”寒い時はハクにくるまって寝るから”とか、”ハクは側にいなくちゃダメ”とか、あとは…」

「やめてあげて、ヨナもうしおっしおだよ!!」
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ヨナは、なぜか全力で穴を掘りだしている。
素手でがつがつ掘る。
ゼノがその傍により、なだめようとした。

「娘さん、ごめんね。もう言わないから」

「姫さん?何やってるんです?そこで」

戻って来たハクが、様子のおかしいヨナに声をかける。

「おー兄ちゃんおかえり。娘さんは霊長類最強女子を目指して、修行中だから」

「最強ねぇ…また手ボロボロにして…」
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完全停止したヨナの手を引いて、スタスタ歩くハク。

「さ、帰りますよ」

ゼノは目が点状態のヨナの頭を、よしよし撫でた。

「いい子いい子」


後日、ほとんど記憶の残ってないキジャが、婆に手紙をしたためた。

「婆へ、先日貰ったのど飴、とてもよく効いたぞ。ぜひまたたくさん作って…」

「やめなさいね」

ジェハに止められ、幕を閉じた。


Comments
番外編、面白かったです。
ジェハとユンの突っ込みが秀逸笑

Comics


暁のヨナ 21 (花とゆめCOMICS)
草凪みずほ
白泉社
2016-08-19