※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください。

あけましておめでとうございます!
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様にとって、素敵な年になりますように…!


Story (マーガレット2017年3・4合併特大号掲載)

いつも通りの朝
いつも通り朝食を準備する、ふみ

しかし、暁はいつも通りではなかった。
ふみが家を出る時間になっても…起きてこない。

すっかり冷めてしまった朝食に視線を落とした後、
不安げな顔で、閉じられた暁の部屋をじっと見つめる。

「…いつもならもう起きてる時間なのにな」

ふみは立ち上がると、何も言わずに家を出た。

暁は自室で棒立ちしたまま、家の扉が閉まる音を聞き届ける。
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俯いたまま、ガシガシ頭を掻いた。

付き合う前にも一度、似たようなことがあった。
だけど今回は状況が全然違う

私が先生のこと好きなの知ってて、あんなことするなんて…

ふみは昨日の出来事を反芻していた。

…なのになんであんな表情するの
私が悪いのかな?
じゃあなんであんなことしたの?

私の事…まだちゃんと好きかわからないくせに
わたし、先生が何考えているかわかんない

ふみは重い足取りで、学校へ向かった。


放課後の教室。
教室に寝そべる洋ちゃん。

「あーーーーー文化祭も近いっていうのに、ふみがミスコンでいないのつまんね~な~~~」

相生が突っ込みを入れる。

「お前が推薦したんだろ」

「そーだけどさあ」

洋はクラスメイトに美術室から備品を持ってきてほしいと頼まれ、
相生と2人で美術準備室へ向かった。

「お前って何で大野と仲良いの?」

「ん?」

「や、ホラ全然ジャンル違うじゃん」

「あー、入学したころは別にそんな仲良くはなかったなー。グループも違ったし、それにふみってまわりから少し浮いてたし。いじめとかじゃなく、よく1人でいたし。んで、まー何の接点もなくフツーに過ごしていたんだけど、ある日私が女子のボスのターゲットになっちゃって…」

少しばつが悪そうな様子で話をつづけた。

「女子全員から総すかん食らってさ。誰も私と話さないし、誰も私を見ないし。まるで自分が透明人間になったみたいで、さすがにちょっとヘコんでた時があったんだけど…」

美術の時間、肖像画を描く課題でペアになったのが、ふみだった。
洋の肖像画を描き終えたふみは、恥ずかしそうにその絵を彼女に見せた。

”え、えっと、わたし…写実的な絵があまり得意じゃなくて…”

洋はその絵を見て驚いた。
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「けど、それ、よく見たらすごく可愛く描いてくれてて…恥ずかしそうにしてるふみを見て、私この子と仲良くなりたいなーって思ったのがキッカケ。それ以来、友達はできても、本当に仲良いのはふみだけなんだ」

洋ちゃんは嬉しそうな笑顔を見せた。

「―――なあ、ちょっと待て、その無視してた女たちは?」

「ん?今は仲いいとまでは言わんけど、まあフツ―に戻ったよ」

「はあ!?信じらんねー!!普通かち込みに行くだろ」

「やーまあちょっとの期間だったし、そーいう時期って誰しもあんじゃん?」

「いやけどさー――」

「そういう自分だって、ふみのことパシリにしてたじゃん」

痛い所を突かれて、グッと噛みしめる相生

「ていうか、そんなことでいちいち怒るなんて、さては相生…私のこと好きだな?」

洋はにんまりした表情で相生を見た。

「なーんて…」
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「………………………え?」

二人の間に、微妙な空気が流れた。


一方、ミスコンの集まりに参加しているふみ

「えー今年は変わりダネとして、当日キングやクイーンに選ばれた人に、この中からペアを組んで軽いダンスを踊ってもらうからねー今のうちに誰を選ぶか決めときなさいよー」

鞍月先輩はすかさずふみに申し込んだ。

「本当に私なんかがペアでいいんですか?」
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「え?」

「ホラ、お兄さんすごく怒ってそうだったから」

「あ―――――…え――っと、実は…あの人は…」

ふみは彼が恋人だと告げる。

「え――――――!!!」

「しー!!しー!!」

「じゃあ昨日のあの人がふみちゃんの」

「先輩声が大きいですって!」

「そ、そっか、一緒に住んでるんだね」

「…そこは色々あるので割愛いたします」

「じゃあ、毎日一緒で幸せだね」

ふみは少し暗い表情を浮かべる。

「…そのはずなんですが…一緒に住んでても、いつもよくわからない行動で振り回されたりするんです…」

深く、俯いた。

「昨日だって………なんでかすごく、機嫌悪かったし…」

「え!それってまさか…僕のせいじゃ…」

「え、でも先輩のことはちゃんと説明しましたし…」

「いやぁ説明だけじゃあ何とも。僕も男だからわかるけどさーフツ―に嫌だもん、自分の好きな人が他の男に抱きつかれてたら、絶対嫉妬するよ」

ふみは思ってもみない言葉に、驚く。
え…嫉妬…?

「僕が余計なことしちゃったばっかりに…本当にごめんねー」

「ま、まさか…先生がそんなのするわけないですよ。だって、そもそも私の事も、まだちゃんと好きじゃないし…」

それって…
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「とりあえず、きちんと話し合ってみたら?ね?」

「……はい」


椿町の家
暁は台所で、洗い物にただただ水の流れるのを見ていた。

頭には昨夜のふみの表情
そして、嫉妬していた自分…
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正直、戸惑っている

ガラガラバタン
そこへ、ふみが帰って来た。

「―――た、ただいま帰りました」

「ああ」

ふみは暁がてっきり仕事部屋にいると思っていたため、
面喰った表情を見せた。

しまった…
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「昨日…」

暁が何か大事なことを伝えようとしたが、
その言葉は、奇しくもふみにかき消された。

「あの!文化祭!!………が来週あるんですよ。ウ、ウチのクラスはロックカフェをやるんですけど、もし締め切りとかないのであれば、どうかなって思いまして」

ああ…もういやだ…臆病者

ふみの表情は嘘くさい笑顔で固まる。

「…………考えておく」

1つ屋根の下で、2人の距離はまだまだ遠い。


Comments
終始、暁の動揺っぷりが可愛いかった…
ふみが好きだということを、はっきり自覚したんでしょうか。

そして、さらっと本人にばれた相生くんの片思い。
………がんばれ!

やはり、文化祭で何か盛り上がりそうですね。
キングかクイーンになったらペアでダンスなんて…もう鞍月先輩はキングになるでしょうから、
ふみと踊るのを暁が見るわけですね…
嫉妬するでしょうね…さらにこじれないと良いのですが。

この微妙な関係を修復するには、もう暁がまっすぐに気持ちを伝えるしかない気がしてきました。
次回も楽しみです!


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