※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください。

表紙に巻頭カラーにロンプラ祭り!
カラーかわいい~
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(マーガレット2017年2号掲載分)
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ミスコン企画の集合場所で、
さらっとイケメン王子に手を繋がれ、戸惑うふみ

え、え―――…っと…

「じゃあ、行こっか」

「~~~あ、あのっ」

ふみの手を引いていく永人を、思い切って呼び止める。

「ちょっと…こういう風に手を繋がれたりされるのは、少し迷惑……なのですが――…」

彼はふみの表情を見て、少し驚いた様子。

「…っ、ごめん!!」

手をパッと放し、その場にしゃがみ込む。

「あ~~~~~…またやっちゃった…」

――え?

「こういうとこがダメなんだろうな~…」

「あの…どういうことですか?」


ふみは、カフェで永人の話を親身に聞く。

「昔から体が小さくて、よく同い年の男子にいじめられてたんだ」
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「身長も伸びて、声変わりしてくると、だんだん友達だと思っていた女の子達から、告白されるようになっちゃって」

”永人は結局誰が一番大事なの!?どうなの!?”

”ぼ…僕はそんなつもりじゃ…”

「――直そうと思ってはいるんだけど、今更同性の友達のつくり方もわかんないし、かと言って女の子といるとまた惚れられちゃうし、けど1人でいる程強くないし…僕って本当ダメなんだ…」

うつむく彼を見て、ふみは思う。

こ…この人…暁先生とは違う種類の天然ジゴロなのでは…!!
母性をくすぐる小悪魔系な…
さめざめとする様子も美しい…

なるほど…
朝ふみとぶつかった時も、実は女の子から逃げていたのだ。
なんか、この人も大変なんだなぁ

「――そういえば、君みたくはっきり迷惑と言われたのは、初めてだなぁ。何で君は違うんだろう?」

「え…いや、まあ…私はそういうのには若干耐性がついているというか…」

ふみは暁先生を思い出して、頬を染める。

「それに…す…好きな人もいますし…」

「え~~~~~!!好きな人って彼氏!?すごーい!!付き合ってるの!?」

「い、一応…ハイ…」

「……いいなぁ。僕も好きな人がいるんだけど、全然ダメなんだよね。歳が離れているってのもあるけど…僕ばっかり好きで…意識なんて全くしてもらえなくて、どうしたらもっとこっち向いてもらえるのか、いつも考えてる………なんて、こんなこと急に言われてもって感じだよね」

「わ、わかります」

ふみはフルフル震えながら、涙をこらえている。

「私も付き合ってるなんて形だけで、本当は全く意識もされてないし、友人に相談してもわかってもらえなくて…」

「え~~~~~!結局みんな、近くにいられるだけで幸せでしょ?って言うんだよね~~でも恋って欲張りじゃん!?」

「そうなんです!欲張りなのはわかるんですけど」

「どんどん好きになっちゃうもんね~~~!」

女子トークが盛り上がる一方、何も知らない暁は家でくしゃみをしていた。
誰かが噂を…いや、風邪か?
時計をちらりと見る。もう8時を過ぎた。

「……にしても、遅くねぇか?」


暗い夜道を並んで帰る、永人とふみ。

「わーーーー!すっかり遅くなってしまいましたね~。その上送ってもらってすみません…」

「いいよ、気にしないで。女の子送るのは男としてあたり前でしょ」

「……」

鞍月先輩って天然ジゴロもそうだけど、すごく紳士なんだなぁ

「でも、今日ふみちゃんと話せて良かった~なんかすっきりしたよ」

「いえいえ、こちらこそありがとうございます。こういうことあまり人に相談できないので嬉しかったです!」

「僕たち、なんかいい友達になれそうだね!」

「…………はい!」

「ん?あれ?なんか向こうの方に、大きい人が立ってるような」

ふみが恐る恐る目をやると…そこには、鬼の表情で仁王立ちする暁の姿が。
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暁の周りの空気がゆらりと不気味に揺れた。

「遅えじゃねぇか…何してた…」

きゃ~~~~!!

「す、すみません、文化祭の色々で遅くなってしまって…」

「連絡ぐらいよこせ、もう8時だろうが」

ブラックな空気が辺り一面を包む。
永人はぽかんと見ながら、…おじさんか誰かかなぁと呑気にその様子を見ている。

何を思ったか、彼は暁の目の前で、突然ふみに抱き着いた。
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ふみも暁も固まる。

な!!
なんて時にジゴロ発動させてるの~~!!

「せ、せんぱい私は大丈夫ですから」

慌てて永人から離れるふみ。

「ん、じゃあまた明日。委員会で。バイバーイ」

永人は悪気もなく笑顔で手を振って、去っていった。

「さ…さようなら~」

ふみは片言で、手を振り見送った。

こ、これは…非常に誤解を招くのでは…

「オイ、中入るぞ、風邪ひく」

「あ、はい!」

…あれ?もしかして…怒ってはない感じ?
大丈夫なのかしら…

ふと、ふみはこたつの上に柿があるのに気がついた。

「これ、どうしたんですか?」

「……………べつに」

うん??
暁の返答に焦るふみ。

「あ~~~~へ~~~~…」

やっぱり、怒ってるかも…

「も、もしかして悟郎さんからのいただき物ですかね、今度お礼に何かしなきゃですね」

暁はふみをじっと見つめる。

「―――さっきの、軟派そうな奴は誰だ」

ドキッと胸を弾ませる。
何も悪いことはしてないのに、浮気現場を見られたような気分。

「あ、えーーーっと、たまたま文化祭の委員会で一緒になった人で、恋愛の相談をうけてたらおそくなってしまって…」

言葉に焦りが見える。
言えば言うほど、取り繕っているように聞こえる。

「なんか女友達みたいで話しやすいというか、だからあのハグも友達のような感じなんですよ~」
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暁のまっすぐな言葉も、ふみの心には届かない。
ふみは柿を手に取ると、台所に向き直った。
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抱きしめられたと気がつくより前に、思考が停止する。
暁の吐息が近い。
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ふみが反応できないでいると、ぎゅっと抱きしめる腕に力が籠った。
力強く、でも、優しい。
まるで、時が止まったように静かだった。
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心音だけがやけに煩い。
ふみは高鳴る鼓動を抑えきれず、どんっと暁を突き飛ばした。

「やめて下さい!ふざけてそういうことされるの…困るって言ってるじゃないですか」

頬を染めたまま、暁の方を見ることもできず、彼に背を向けた。
しばし、沈黙が流れる。

「――――そんなに嫌かよ………悪かったな」

暁の声色にビクッとして、振り返るふみ。
しかし、暁はもう自室の戸を閉めたところだった。

部屋で、暁は無言のままゴツッと壁に頭をぶつける。
抑えられなかった嫉妬…拒絶されてショックを受けている自分がいた。
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ふみもまた、暁に抱きしめられた余韻を感じながら、彼との距離感に戸惑っていた。
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ドド、ドキドキしましたー!
もう無言のシーンがたまらんですね…
空気感が伝わって来て、こっちまでドキドキさせられます。
暁先生、ふみちゃん心臓もたないよ。

小悪魔系天然ジゴロの王子、さっそく2人の起爆剤になってくれていて…好きです。笑
いい友達とか言いながら、ふみのこと好きになっちゃったりして。

もう暁の最後の表情みたら、どれだけふみが好きかわかりますね。
付き合ってるはずなのに、何だろうこの付き合う直前の2人みたいな距離感。
次回も楽しみです!


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