※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください

ふろくカレンダー絵
コレットがボブ!
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(花とゆめ 2017年1号掲載)

先生の診療所に着いた。
変わってるものと変わらないものがあって、ちょっととまどったけど…
昨日は楽しかった。
「よっし、水やりおーわりっ」

今日は朝イチでユリヤ姉ちゃんを見送って、さっそく仕事。
なんでも係のコレットは薬草園の水やりを終えたところ。

昨日は冥府に行けなかったから、今日は顔出したいな…
夜時間もらおうかな

そんなことを考えていた時、マリー姉ちゃんの説教声が聞こえた。

「薬棚に触らないでって言ったでしょう!?」

「!?」

驚くコレットは様子を見に行く。
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「ヒロイは薬師の基本を修めたと判断したから許可したの。貴方たちはまだだから許可しないのよ」

「私たちだって、基本くらいできてますぅ」

「決めるのは私、あなたたち選択はどうしたの?サボっておいて基本がどうの言えないでしょう。しっかりやりなさい」

掃除洗濯、食事の支度、包帯作ったり…誰しも最初は裏方仕事。
薬草の取り扱いには注意が必要なものがあるから、座学を経て先生の許可が出るまで調合は禁止なのだ。

マリーに絞られた2人は、コレットに気付かず愚痴をこぼす。

「あーあ、もうやめよっかなーこんなとこ」

「薬師って思ってたのと違うし、雑用やるために弟子入りしたんじゃないっつーの」

コレットに聞かれてしまったと分かり、気まずい雰囲気が流れる。

「…あのさ、薬師は衛生第一だから、洗濯も掃除も雑用じゃないよ。マリー先生も言ったことあると思うけど、診療とか調合だけが薬師の仕事じゃないから。今は自分の仕事を頑張ってほしいな」

2人は黙ったまま。
コレットは呼ばれて立ち去ろうとする。
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え?今なんか…陰口?的なものが…

コレットは一部始終をマリーに伝えると、彼女はあっさり答えた。

「ああ、あの2人は私の事嫌いなのよ」

「えぇ!?」

「私見習い全員の教育係だから、仕事の振り分けも私が決めるし、不満なんでしょう」

「マリーお姉ちゃん一人で教えてるの!?」

「イタンも見てたけど、一括したほうが合理的でしょ。だから今あいつは診療と運営担当なの」

そんなことになってたんだ…と驚くコレット

「放っておきなさい。大所帯になるといろんな子がいるものよ。すぐ辞めるのもいるし、立派になるのもいる。あの子たちはその分岐にいるの」

…まあ、自分より後に来た子が先にいくのは面白くないだろうけど…
だからって、陰口言っていいわけじゃないし
マリー姉ちゃんが気にしないなら、クビは突っ込まないけどさ。


「うん、よくできてる。丁寧でいいわ」

マリーは弟子たちの成長の様子を目の当たりにして、
嬉しそうな表情をしている。

「マリー先生嬉しそー」

診療から帰って来たコレットは、彼女につられて笑う。

「そりゃー弟子が育つのは嬉しいもんよ。一人前の薬箱をあげる時なんて、柄選びで毎回イタンとバトルよ」

バトル!?

「…でもいつかは、のれん分けってやつ?この町に2軒目、3軒目の診療所が増えたらいいなって思う。専門別の診療所なんてのもありかなとか…ま、私の理想ってだけだけどね」
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「そうかしら、ほほほ」

マリーはふとイタンのことを思い浮かべて、少し頬を染める。

「さてと!往診組がいったん帰ってくる頃よ。ごはんできてるかしら」

マリーとコレットは台所へと向かう。
あの反抗的な2人がまた、陰口をたたいていた。

「イタン先生がカッコいいから弟子入りしたのに、しゃしゃってくるのはマリー先生だし、ひいきするし」

「イタン先生が何も言わないからって女王様気取りだよね」

「あんなんだからどこにも嫁にいけないんじゃん?尻に敷かれそう感すごいもん、自覚ないんだろうなー」

コレットは怒りが募ってくる。
はあ!?何?なんでそうなるの?もう黙ってられん!

飛び出していこうとしたとき、マリーがコレットを無理やり引っ張っていった。

「あんなのもうただの陰口じゃない。なんで引き下がるの?」

「みんな帰ってくるのに今ごちゃごちゃやりたくないわ。ちょっと考える」

「…イタン兄ちゃんは知ってるの?代わりにいってもらおうよ」

「コレット、ありがと…でも教育係は私。これは私の仕事」

納得のいかないコレット。
役割分担てやつ?
そんなに頑なに分けなきゃだめ?
マリー姉ちゃんがそういうなら、我慢するけど…
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ハデスさまの前で一気にまくし立てて、ぜーはーと息を切らすコレット。

「落ち着いたか」

「はい…」

「無事に診療所に着いたのだな」

「あ、はいっ」

「それは良かった。しかし平穏ではなかったというわけか」

こんな愚痴冥府で言いたくなかったな…

「いきなりすみません。姉は仕事に厳しい人です。でも偉ぶったりひいきなんてしません。頑張ったことはちゃんと評価してくれる先生です。だから悔しいんです。…こういうことにいちいち腹を立てていたら、大所帯ではやっていけないんでしょうか…」

ハデスは少し考える。

「…部下が陰口…お前たちわかるか?」

骸骨に問う。

「いいえ、主人をののしるという発想が存在いたしませぬ。」

「その無礼者は部下ではございません。」

「仕留めて川に流すべきです。」

「極刑もありかと。」

だめだ!ここは上司好きの部下しかいない!!

落ち込んでいるコレットを見て、ハデスは散歩に誘う。
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「散歩って空中――――!?」

コレットを抱きかかえ、夜の人間界をふわりと飛ぶハデス様。
テンションが上がったコレットは手足をじたばたさせる。

「動くでない…地上は随分暖かくなったのだな。ここがお前の育った家か」

「はいっ」

「街も大きいのだな。買い物に行ったあの町よりも。コレット、私はお前の兄と姉を知らぬ。だが、ここを背負っている兄はのんきなだけの男ではないはず。そしてそれを姉は誰より知っているはず。その2人が決めたことならば、きっと信じていい」

ハデス様…

「…そーですね。そうします。」

散歩なんていって、考えてくれてたんだなぁ

「少し見て回りたい。お前が過ごした街を」
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2人は夜の散歩を思い切り楽しんだ。

同じ夜、マリーはイタンからの手紙を読み、星空を見上げていた。
イタンもまた同じく、マリーのことを想い空を見上げていた。


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マリー姉ちゃん強い人だ…
イタンのこと好きなんだろうな。

コレットとハデスさまは相変わらずラブラブでした!
想いを告げ合っていないのが、不思議なくらい笑
この2人は一緒にいるとお互い本当に楽しそうで…好きです。


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