※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください

待っていました、ふろくのカレンダー
紅葉とヨナの髪の色がとてもきれい!
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 (花とゆめ 2017年1号掲載)

「…遅いねキジャ達」

帰りが遅い四龍を心配するユン。

「ちょっと迎えに行ってくる」

「気を付けて」

ヨナも不安を隠せないまま、ユンを見送る。
何かあったの…?
奇しくもヨナ達の不安は的中していた。
その頃、五星と衝突していた四龍達。
自分達が高華の人間として戦えば、戦争が起こってしまう…反撃はできなかった。

「どうした!?高華の化け物の力とやらを見せてみろ!俺が叩き潰してやる!」

攻撃をひたすら避ける、ジェハ。

「待って!君達と争うつもりはない!」

「信用できるか!お前たちはスウォン王の命で動いているのだろう!?」

「違うと言っても聞く耳持たないみたいだね」

ミザリは不敵な笑みを浮かべて、しきりにゼノを狙う。
ゼノを守ろうと壁になる、シンア。

「もしもし不死の人。隠れていないで出てきてくださいよ。あなたが生き返るとこ、すごくすごくもう一度見たいんですっ」

ジェハは一瞬、ゼノとシンアに気を取られた。

「ゼノ君、シンア君!」

「ジェハ!」

ふいを突かれたジェハに襲い掛かる刃。
血しぶきを上げたのは、ジェハの前に飛び込んできたキジャ。
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キジャは深手を負って、そのまま気を失った。
敵は容赦なくジェハをも襲う。

「くっ…」
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息の根を止めるため、とどめを刺そうと敵が武器を振り下ろした瞬間…
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「仲間か…?」

「そうだよ」

「ならば死ね」

「何でだよ!俺たちは殺されるようなことはしていない!!真国の武人は無抵抗の人間に死ぬまで武器を振るい続けるの!?それがアンタ達の誇りなの!?」

後ろから、ジェハの消え入りそうな声が聞こえる。
かろうじてユンの耳に届いた。

「ユン君…ダメだ…どいて…」

ユンは振り返ることなく、叫んだ。

「やだよバカっ、俺はみんなを怪我させないのが仕事なんだからね。絶対に動かない!」

手を広げたまま、敵をまっすぐににらむユン。

「俺は高華の人間で、暴力も戦も大嫌いだ。殺す前にそれだけは頭に入れておいてよね」


ヨナは胸騒ぎがしていた。

「…ユン、ジェハ達と会えたかな」

「さすがに遅いな」

ハクも真剣な表情をしている。
そこへ、タオの味方の兵士が一人あわただしく部屋に入ってきた。

「タオ姫!いっ、今町でミザリ様とヨタカ様が…四龍様と乱闘をされて…っ」

「ジェハ達が!?」
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「それが…彼らはどんなに攻撃を受けてもなぜか反撃せず…」

ハクが大刀をぎりっと握りしめて、眉間にしわを寄せる。

「民衆を前に暴れたら戦を誘発してしまう…タレ目がそう判断したんだろ」

「ユンは?ユンは見かけなかった!?」

「は…はい彼は乱闘を止めようとして…」

「まさか怪我を…!?」

「いえ、ヨタカ様はそこで戦いをおやめになり、その場にいる全員をコウレン殿下の滞在されている屋敷へ連行なさいました」

「くそっ、俺が助け出してやる」

「アルギラ!待ってください。私が行きます。」

今にも飛び出しそうなアルギラを止めたのはタオ姫。

「私が行って、コウレン姉さまに皆さまをお助け頂くようにお願いします」

ヴォルドは反論する。

「お待ちください!今、穹城の反戦派の方々に応戦を頼みます」

「時間がありません!高華国の化け物と呼ばれる彼らに姉さまは何をされるかわからないのです。全ては私が招いた事…ヨナさん、四龍の皆さまは私が命に代えても高華国にお帰しします。あなた方は一刻も早く真国から脱出を」

ヨナは頭を下げるタオを見て、何か暗い表情をしていた。

「―――タオ姫、その前にひとつだけお願いがあるの」


コウレンの屋敷にて。
五星とコウレンが話をしている。

「ヨタカが連れてきた高華国の化け物…驚きましたね。ミザリが切ったら本当に傷が治った。スウォン王の部下にあんな者たちがいるとは…」

タオがその化け物と繋がっていた……

「ま、待て、うわあっ」

「!?」

コウレンの部屋に押し入ってきたのは、タオ姫たち。
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「アルギラ、ヴォルド…タオ姫っ」

以前の仲間達の姿に驚く、五星メンバのネグロ。

「タオか」

「コウレン姉様、お話しがあって参りました。」

コウレンはふっと笑う。

「意見の対立からしばらく姿を見せなかったお前が、高華国の化け物の為に動くとはな、そこまでスウォンにおもねるか?」

「お姉さま…今こちらにとらえられている方々は私の大切なお客様です。どなたもスウォン王とは何ら関りはありません。どうか釈放してください。」

コウレンは厳しい表情でタオ姫を見る。

「それはあの者たちを拷問すればわかる事だ」

「お姉様!」

「許されると思っているのか!?こそこそと高華国の人間と接触し、国家の内情を暴露した。王家の人間だとて大罪だぞ!!」

そこに、スッとヨナが入り込む。

「コウレン姫」

「お前は確か弓の…」

「私は高華国から来たの。あなたが捕らえた私の仲間は町では一つも暴力を振るってはいないし、スウォンとは本当に無関係よ」

ヨナは決意の表情で、かぶっていた外套を脱ぐ。
見事な紅い髪が、薄暗い部屋に輝く。

「でも私は、スウォンと関わりのある人間なの」

「…………何者だ」
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一同、驚きの表情でヨナを見つめる。
ヨナ…イル王の娘…!?

「ヨナさん…あなた…」

「黙っていてごめんなさい、タオ姫」

コウレンはまだ目を見開きながら、ヨナを見つめる。
昔…父に聞いたことがある
イル王の娘は、ヨナという名でその髪は、燃えるような赤い髪だと

「ではやはりスウォンの命で来たのか?」

「父イルはスウォンに弑逆され、私と従者であるハクは城を追放されたの。以来、私たちは国を放浪して生きてきた」

ハクはうつむき、その表情はうかがい知れない。

「厳しい日々の中、助けてくれたのがあなたが捕えた、私の仲間達よ」

アルギラもヴォルドも、その場の全員がヨナの話に聞き入っている。

「これだけは断言する。私は決してスウォンの命令で動いたりしない」
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「何より大切な…家族なの」

コウレン姫は厳しい表情のまま、ヨナを見つめている。
彼女の話に嘘はない。

「…ひとつ問う、お前はスウォンを憎んでいるのか?」

「…………憎んでいたとしたらどうするの?」

「―――私と来ることを許そう」

ヨナの表情に影が走る。

「仲間は解放してやる。我らに協力し憎きスウォンと、それを支持する高華国の者どもに復讐するがよい」

「……断る」

ヨナははっきりと答えた。

「なぜだ?奴が怖いのか?おい、従者お前はどうだ?王に復讐したくはないのか?」
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「…………」

「私は戦に手を貸すことはできない。私の民にもあなたの民にも、二度と絶望を繰り返させたくないから」

「―――どうせよと?スウォンは必ずこの国に攻め込んでくる。タオのように白旗を上げよと申すか?17年前の敗戦でユホンは我が民を奴隷のように扱ったのだぞ!?」

「――少し、時間を頂戴…私がスウォンに会って戦を回避できないか交渉してくる」
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試すか…スウォンがこの娘を相手にどう出るか…

「いいだろう、お前が戻るまで戦支度をして開戦は待とう。その間お前の仲間は人質だ。裏切ったり、スウォンが先に戦を仕掛けたら、人質を殺す。不死の男は拷問だ。」

「タオ姫、私ちょっと行ってくる」

「ヨナ…姫…」

タオの目から涙がポロポロ流れ出る。
ヨナの手を包み込むように握りしめた。

「四龍さんとユンさんは私が必ずお守りします…っ」

「…ありがとう」

タオはまだ涙を目にためながら、従者たちを呼ぶ。

「アルギラ、ヴォルド」

「はいっ」

タオは思い切り彼らを抱きしめた。
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そう、ヨナさんは希望の光

「必ず戻ります」

「帰ったらにゃん達と遊ぼうな」

「ふふ…はい」

ヨナはハク、アルギラ、ヴォルドを従えて、高華国へと向かった。

コウレン姫はヨナを見送って、部屋を後にした。

あの娘はスウォンに殺されるだろうか…
またあの弓を射る姿を見てみたかった…



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わああ、やはり四龍が捕らえられてしまいました…しかも重傷で…
ゼノを面白半分で斬るミザリ、本当許せない。

ヨナの言葉に胸が詰まりました。
厳しい中で助けてくれた四龍は何より大切な家族だと…
心の底からの言葉が沁みました。

そして、城を追放されてから、初めてイル王の娘・ヨナ姫として動いた。
この決意は並大抵のものではないでしょう。
スウォンとの対峙、ヨナの進む道にとって避けられないとはいえ、
想像しただけで怖い…何が起こるのかわからない。

ヨナ、本当どうなるのでしょう。
スウォンがどういう態度を取るのか予想できない…
少なくとも、スウォンの周辺の者たちは殺そうとするでしょうね。
次号が気になりすぎる。はよ。




暁のヨナ 21 (花とゆめCOMICS)
草凪みずほ
白泉社
2016-08-19