※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください。

表紙可愛い~~
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語られぬ過去 (BELOVE 2016年24号掲載)

愛染に撃たれ、その場に崩れ落ちるひな。
鈴子は彼女を抱きとめる。

「…ひな…なぜ…」

愛染はまだ銃を向けたまま、呆然とその場に立ち尽くしていた。
「ひなさん…!」

私を…かばって…こんな…

「どうして………」

「………あなたのために津軽が泣くのは…くやしい…もの………う…」

どうしよう…血が…止まらない。

「しっかり…!」

背後では津軽が愛染を取り押さえ、ひなと鈴子の元に駆け寄る。

「今、人を呼んできてもらってる!ちょっと見せて」

ひなは喉からヒューヒュー音を立てて、か細く息をしていた。
ゴホッと深くせき込むと、口から大量の血があふれ出す。

「ひな!」

「津…軽…はっ…」

薄れゆく意識の中で、ただただ津軽を追いかける。

「私…死ぬのかな…」

ひなの瞳からポロポロ涙がこぼれた。
身体は小刻みに震える。
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「私何も残せない…消えたくない…!!」

とめどなく涙がこぼれ落ちる。
死を目の前にして、押し隠していたひなの心がようやく顔を見せた。

「もっと世界…を見ていたい…まだ…知りたい…まだもっともっともっともっと…生きていたい」

激しくせき込み、血が口から吹き出す。

「ひな!」

津軽の声を頼りに、必死に息をするひな。
まだ彼に伝えていないことがある。

「津軽…私…私の…」
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「私の…せい…で…」

鈴子は涙をこぼしながら、つぶやいた。

「違うでしょ…う、誰かのせいじゃない…私が選んで私がしたの…それを…自分のせいだなんて傲慢ね。無神経に図太くて、くじけなくて、折れない。強いから。私のことも未来に連れて行ってくれそう」

ひなは瞳を閉じた。

「そう、私があなたを選んだの。それだけよ…」

鈴子も瞳を閉じて、ひなの言葉をかみしめた。

「私の命を繋いでくれたんですね…ひなさんは何も残せないって言ってたけど…私の命を残してくれた…」

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「耳を…」

ひなは鈴子の耳元で、ささやいた。

「―――私の乳母と、グレーン先生に会って…伝えて…あなたには話していいよって―――」

「どういうこ―――――」

かはっ

「ひなさんっ」

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「夢を…手伝え…なくて…望みを…叶えた姿…見届けられなく…て…妻でいることはできなかった…けど…いちばん…愛してるわ」

そう、恋したのは津軽だけど、愛したのはあなただから…
愛染はひなに駆け寄り、彼女を抱きしめた。

あなたにも何か見えるでしょう、春時くん…「私」は無駄じゃなかったかな。
「私」は「誰か」の「何か」になれたかな

ひなの命が静かに消えていく…

「津軽…」
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ひなは静かに瞳を閉じ、この世から旅立っていった。

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それじゃあまたご縁があったなら…



後日、鈴子はひなからの遺言通り、乳母に会いに行って真実を知る。

ひなの人生が一変した、あの日…
津軽と会っていて遅くなってしまい、彼に家まで送り届けてもらったひな。

「おかえりなさいませ、ひなお嬢様。遅かったですね」

「本を読んでいたら、ついついね…それで…あ…これ…渡し忘れてた…」

ひなは津軽の試験合格を願って、お守りを彼に渡そうと思っていたのだった。

「急げば追いつくかな、渡してくる!」

「夜道は危のうございますよ!」

乳母の制止も聞かず、夜の通りに飛び出したひな。

「津軽歩くの速いから、いっそ家まで行っちゃおうかな。驚くかな」

彼女は意気揚々と進んでいく。
ふと、3人の男とすれ違った。男たちは不敵な笑みを浮かべて彼女の後をつけていく。

家に戻ってきた彼女は、変わり果てた姿をしていた。
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じきに、名も知らぬ男たちの子を妊娠したことを知る。

周囲には津軽の子だと、嘘をついていたが、
行き詰ったひなは、ついに自ら入水してお腹を殴打し、病院に運ばれた。
彼女を助けたのはグレーン医師。

病室のベットで呆然とする、ひな。
ああ、命を奪ってしまった…

「私…きっと…」
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その時、ひなを診てくれたグレーン医師は、津軽が以前ビアホールで話していた異人だった。
津軽は真実にたどり着くため、ひなに起こったことを調べていたのだった。

全てを知った鈴子は、考えを巡らせる。

ひなさんは、どんな気持ちで、そう思い込もうとしたんだろう―――
愛染さんと結婚したのは…ひなさん自身が津軽から逃げたかったのかもしれない

そして、死が迫り、再び嘘をつく―――津軽を呼び寄せるために
やり残した想いを昇華させるために

津軽は―――
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ダメだ、号泣です…
ひなの想いを考えると、もう苦しくて言葉になりません。

ひなは心から津軽が好きだったんですね…
津軽、私の初恋…のシーンで涙腺崩壊しました。

そして、津軽との子じゃなかった…
もうすっかり津軽の子だと思い込んでいたので、何やら拍子抜けな感じですが…
津軽と鈴子の未来を考えると、やはりこの結末になるのかな。
ダメだ…とりあえず、ひなが可哀そうすぎる。

津軽、ひなのこと確実に忘れられないですね。
忘れていいよなんて言われたら…
津軽と鈴子の関係にどう影響してくるのか、気になる所です。


表紙にもある通り、想いが通じ合う次号…
積もりに積もった想いをどう伝えあうのでしょうか。楽しみです。

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