※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください。

話題集中につき、巻頭カラー!晴海ひつじ作
(LaLa2017年1月号掲載分)

両親亡き後に引き取ってくれた叔母が夜逃げをし、
斎王子家の住み込み家政婦として正規雇用された、佐藤風香

斎王子家では個性豊かな兄弟4人が暮らしていた。
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長男・宰は、路頭に迷った風香に家政婦の仕事をくれた恩人。
次男・燈は、スキンシップの激しいチャラさ満点の大学生。
三男・浬は、風香の同級生、学校では才色兼備で有名だが家では家計を支えるSE。
四男・湊は、口数少ないが優しくてちょっと変わった中学生。肩にはペットのにっぽりとねりらいなー君がいつも乗っている。

兄弟といっても全員顔が似ていないし、両親もいない。
雇われの身である以上、決して深入りしてはいけないところ。
「宰さん、お帰りなさい」

「ただいま、佐藤さん」

外商の仕事をしている宰の帰宅を笑顔で迎えた、風香。

「そうだ、佐藤さん今日仕事の取引先でいいもの貰ったんだ。週末みんなで行かない?」

「私も行っていいんですか!?」

「もちろんだよ」

遊園地…子供の頃両親と行って以来です…
嬉しそうな表情を隠せない風香

「浬、遊園地好き?」

一番、遊園地とは縁遠そうな浬にも尋ねる、宰。

「バカバカしい事きくなよ。人の作った遊具に遊ばされて、何が楽しいんだ」

「週末なら浬も一緒に行けると思ったんだけど…」


「何?お前ら遊園地行くの?」

「うん、でも浬は仕事で疲れてるだろうし、無理しなくていいよ」

風香はその様子を見て、本当は彼もみんなと行きたいのではないかと憶測する。

「浬君も行きましょうよ。遊園地は人数多いと楽しいですよ!気分転換って考えたらどうですか?」

「風香ちゃん、俺と2人きりの方が楽しいよ!」

チャラ男の燈はすぐ風香にくっつく。
こら、燈。と止める長男。
浬は燈の様子を見て、少し気に食わない様子。

「まあ…行ってやってもいいけど…」

ひねくれ者の浬はしぶしぶ了承した。


遊園地当日。

「どこ行く?風香ちゃんどれ乗りたい?」

風香は観覧車とお化け屋敷が苦手だった。特に観覧車は以前両親と乗った際に止まってしまい、以降トラウマに。風香はその旨伝えようとしたが…そんな弱みを言っては浬にまたイビられる!と隠しておくことにした。

「私…コーヒーカップに乗りたいです!」

燈がうんうん、かわいいチョイスだねと頷いた。
突然、風香の両側から手が伸びてきて、手を繋がれた。
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「早い者勝ち。のこりもの同士で繋いだら?」

浬と燈を見ることなく、バッサリ切った。

「手が腐る」

「言うと思った」

そんなやり取りも、家族と縁遠い風香にとってはとても嬉しいものだった。
まるで私も家族の一員になれたみたい。
ずっとずっと…こんな時間が続けばいいのに。

「はい、風香ちゃんの!お昼はまだ宰が並んでいるから、これ食べて待っててだって」

燈は風香にクレープを手渡した。
風香はクレープを口いっぱい頬張る。
おいしいです。なんで人の作ったごはんてこんなに美味しいんでしょう。
浬は風香の頬にクリームがついていることに気がついた。

「おい風香、ほっぺについてるぞ。反対側」

「風香ちゃんこっち向いて」

突然、燈の顔が接近してきた。
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ななな!?

「おいしい」

「ふざけんな、俺が教えてやったんだから自分でとれたはずだ」

浬は怒りに声を荒げる。

「手で取ればいいのに…」

湊もぼそっと浬を援護した。

「何なの、浬も湊も~~~~俺の行いは食べ物を粗末にしない最善策でしょ」

燈の能天気さにイラっとくる、浬。

「じゃあ、こいつにも最善策とやらを賜ろうか」

隣でいつの間にか食パンまみれになっていた、ペットのにっぽり君を掴み差し出した。
一同、唖然とする。
どうやって食べたらそんなことになるんだ…

突然、にっぽり君が食べていた食パンを鳥がつかみ飛んで行った。

「きゅーーーーーっ!」

にっぽり君は一目散に追いかける。
湊と燈は慌てて、ペットを追いかけた。

2人は全然帰ってこない。
ケータイもおいて行ってしまったため、連絡も取れない。

浬と風香は探すことに。
浬は観覧車に乗って、どこにいるか探そうという。
観覧車はトラウマの乗りもの…でも風香は弱みを握られたくなくて、一緒に乗り込んだ。

大丈夫…こわくない…こわく…
どんどん血の気が引いていく。

「…まさか高所恐怖症とか言わねーよな」

浬はがたがた震えだした風香に気がついた。

「動かないで!!揺らさないで…この高さから落ちたら死んじゃう」

「いや、落ちねーから。つか怖いなら外見んなよ」

そうしたいけど…体が動かなくて…あれ?声でない…大丈夫じゃない…
風香はパニックのあまり、過呼吸になっていた。
息ができない…苦しい…怖いっ…

「おい、マジで大丈夫か?落ち着け、過呼吸かよ」

絶対、イビられる―!

突然、浬は風香を押し倒した。

!?!?

「おい風香、治してやるからこっち向け。服越しに呼吸するんだ、しがみついていいから。俺のことだけ考えろ。」

風香は涙目のまま、浬に抱き着いた。
浬君の体温…重さ…
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「っ…」

風香の口から息が漏れた。
あ…息…できた…

浬が風香の様子を伺って、少し体を起こした。
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絶対に馬鹿にされると思ってたのに…


2人は観覧車から無事降りた。

「そーゆートラウマあんなら先に言っとけ」

「すみません」

「お前さぁ…俺に弱み見せたらつけこまれるとか思ってんの?」

私…嫌な奴だ…浬くんは意地悪って決めつけて…

「無礼な奴だな。罰として、ひとり観覧車の刑だ」

は!?やっぱこういう奴じゃん!!
風香は一瞬でも浬をいい奴だと思ったことを後悔する。

「乗りませんよ!!もう一生乗りませんよ!!」

そこに、燈と湊が姿を現した。

「風香ちゃん?」

燈は風香の目が赤いことに気がついた。
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無事みんな合流し、楽しい休日が終わった。


その晩、風呂上りの浬を待っていたのは、燈。

「浬、遊園地で風香ちゃんに何かした?泣いた目してたよ」

仲の悪い浬は燈を無視する。

「そーゆー態度は俺だけにしろよ。風香ちゃんは浬に何もひどいことしていないだろ!?」

「酷いことしたと思ってんなら、俺に関わるな」

「そうしたいとこだけど…風香ちゃんを泣かせるならほっとけない」

…何やら嵐の予感。


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斎王子兄弟、面白いなぁと思っていたら、
やはり人気のようで、6話にして巻頭カラー。
おまけに次号は表紙だそうです。

話の展開は目新しくないですが、4兄弟のキャラが個性的かつ魅力的です。
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