※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください!!

(マーガレット2016年24号掲載分)

無事先生との初デートも終えて、一息ついたところ…
また一つ悩みの種が…

ふみは先生との打ち合わせに訪ねてきた悟郎に相談に乗ってもらうことに。

「で?どうしたの相談なんて、珍しい」

「あの、実はですね、デートの帰り道、ある知り合いの女性に出くわしまして…」


ふみはデートの時の様子を振り返る。
暁と手を繋いでの帰り道――

「せ、せんせい!もう無理です…!緊張と動悸でもう動けません…」

暁に手を引かれながら、顔を真っ赤にして逃げ腰のふみ。

「おい、まだ50mも歩いてないぞ」

「そんなこと言われても…!!」

「仕方ない、飲み物でも買ってくるから休んどけ」

「す…すみません」

ふみはベンチに腰掛け、ふと目の前に止まっているバスに視線を向けると…
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そこには鬼の形相の女性が…
その女性の唇がゆっくり動く。

ゆ、る、さ、な、い

許さないわよ小娘…!

ふみはその女性の表情を思い返し、震えあがる。

「その日から何だかもやもやがぬぐえなくて」

悟郎はすぐに思い当たる。

「あのさ、それって桂さんだよね…?」

「!!え、えっとちが…」

「大丈夫、周知の事実だから。や~~~それにしても非常にまずいよそれ。」

「えっ」

「気に入っていた男がぽっと出の女に取られたわけでしょ?そりゃあ腹立つよね。こりゃあ怒りにまかせて2人のことネットでばらされたり、週刊誌にタレコミ情報流したりとかあるかもね~ホラ愛と憎しみは表裏一体って言うじゃん?」

ふみはショックを受ける…
悟郎がわざとふみをからかう為に言ったとも知らず、
言葉を聞くや否や全速力で飛び出した。

私が何とかしなければ…!


桂さんがいる本屋の前でそわそわしているふみ。
突然背後から気配が…
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「か、桂さんお久しぶりです…!!」

「やだ、相変わらず天然なのねぇ。この前会ったばかりじゃない。3日前にバスの中でね。」

ひ~~~~~~

「あ、あの、そのことで話があって来ました!」

「話?」

「ぶ不躾なのは百も承知ですが、できればその…あの日見たことは内緒にしていただけたらと思いまして。」

空気がひんやり冷たくなった。

「は?あんた、まさか私が腹いせに言いふらすとでも思ったわけ?」

「~~~えーーっと」

「思ったわけね」

「で、でもあの時許さないって…」

「許せるわけないじゃない。だってこんなトロくて木偶の坊で料理しかできない小娘のどこがいいっていうの。おまけに家まで居座れてちゃっかり付き合えていいわね。アンタはラッキーで。私もあんたと同じだったらよかったのに」

そんなの…

「私、全然ラッキーなんかじゃありません。…貧乏だし、頼りない父しかいないし。しかもその父は連帯保証人になって600万円の借金作るし」

「ちょ、え、600ま…」

桂はその話にドン引きする。

「しかも勝手に遠洋漁業に行っちゃうし、あげく住んでいた家は追い出されるし、料理だって…べつに好きで覚えたわけじゃ…」

ふみは唇をぎゅっと結んだ。

「桂さんこそ!!大人だし、美人だし、博識だし、自立してるし、髪もサラサラだし私にないものばかりじゃないですか…」

「私は…」

桂が何か言いかけたその時、突然背後からおばちゃんの声が聞こえた。

「あっら~~」
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「ちょ、おばさん…!」

「いい歳の女がダメよ~いつまでも引きこもってゲームしてちゃあ、部屋もいつもぐちゃぐちゃだし、食事も牛丼とかコンビニばっかりってお母さん心配して…」

「おばさん!!」

「まあ、なあに大きな声で」

「いま接客中だから!!」

おばさんを追いやって、気まずい空気が2人の間に流れる。

「…いま、イメージと違うって思ったでしょ…いいの…本当の事だし。どうせ、家の中では年中高校の時のジャージだし、料理だって米炊くくらいしかできないし、掃除だって好きじゃない。歴史に詳しいのだって、ただ高校の時にハマった幕末乙女ゲームの影響からだし、てかぶっちゃけ大学デビューだし、その上顔もキツイし一重だし、可愛げもないし、プライドだって高いし。」
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「ていうか暁先生のことも乙女ゲームの推しキャラに似てたからってのがキッカケだし…そりゃあ誰だってこんな女選ばないでしょうよ」

うつむいて顔を隠す桂。

「―――でも、やっぱり私は桂さんみたいな女性にあこがれますよ。仕草もテキパキこなすし、キリッとしてるし、きっかけはゲームでも暁先生と話が合うくらい歴史に造詣が深いなんてすごいことだと思います。」

「ふみちゃん………………………なんて言うと思ってんの?このアマ!!」

「選ばれた奴はなんとでも言えるわよねぇ。勝者の余裕ってやつ??そう言ったら許してもらえるとでも思ってんの?ほんっとうにイやな女ね」

ええええ、とふみは桂の鬼の形相に立ちすくむ。

「もし暁先生の足引っ張ったらただじゃおかないから。肝に銘じておきなさいよ~~~」

「は、はい!」

「わかったら早く帰ってよ。仕事の邪魔だから。」

「あの、今日は誤解していてすみませんでした。」

ふみは手土産の羊羹を渡し、帰っていった。
その後ろ姿を見送りながら、桂は先日のふみと暁の様子を思い出す。
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あんな表情初めて見たし
本当にむかつく、ゆるせない。

けど、きっとあの2人にはお互いしかいないんだろうな。

そんな人、私にもいるのかしら。


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桂さん、毒舌ですが応援したくなります。。