※ネタバレ・画バレを含みますので、閲覧にはご注意ください!!

(花とゆめ 2016年23号掲載)

ついこの前までは、ここは平和な村で
みんな笑って暮らしていた…それを取り戻すの

「安心してみんな、花果、お師匠様とみんなを元に戻しに
三蔵と長安に行ってくるよ!」

 妖魔によって、猿へと変えられてしまった村人達との別れを惜しむ。

「みんなで待っててね。あんまり遠くへ行っちゃだめだよ」
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長安にも、三蔵にも、負けない

「ふん、結局俺のお供はガキ一人か」

むかっと来る、花果。

「ガキだと思うなら、どうして花果を誘ったのよっ」

「俺の人を見る目は確かだぞ。その短い脚を使って、お前は一晩で村から俺の元までかけつけた。見上げた脚力だ!足手まといにはなるまい」

お師匠様と同じ顔、同じ声…でもお師匠様じゃないんだ、わかってるのに褒められるのがやだ!
こいつは別人なんだから…

「ここから長安まで1500里だったな。くそ…腑抜けどもが持って行ったせいで馬は一頭だけか…」

三蔵はくしゃみをした。
花果は見逃さない。
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「やはり、お前には気骨がある…だがまだガキだ!!ガキのくせに生意気なことをするな、来い」

三蔵は首巻を外し、花果の首に巻き返した。

お師匠さま…花果、三蔵のことすごく嫌い…

「さあ行くぞ、出陣だ!」

「ねぇ、三蔵。三蔵って何者なの?」

「俺は…長安の元高官だ。今、玉座に座っているのは皇帝じゃない。皇帝に化けた醜い化け物だ」

夜になり、二人はたき火に身を寄せながら話を続ける。

「こんな辺境の人間には気付かないだろうが、今長安は魔窟だ。人間はどんどん消され、妖魔どもに土地は汚されていっている。俺の魂は長い間、皇宮の奥に閉じ込められていた。やっと逃げてきたのさ」

「ふーん」

「俺は追手から逃れ、還魂できる身体を求めて遠く遠くへ飛んだ…全てが悪い夢のような話だ…まさかこんなもやしの身体に入ってしまうなんて」

「勝手にお師匠様の身体に入ったくせに!」

三蔵は慌てて、手で花果の口をふさいだ。

「しー、騒ぐなチビ。夜は妖魔共の動く時間だ」

「…妖魔って、あの村を襲った黒い奴らのこと?」

「他にも大勢さ、わらわらと姿を現し人を襲い始めてんだよ。そいつら妖魔の王が皇帝を暗殺し、その皇帝になりすまして長安にいるんだ。俺達は今、その長安に向かってんだぜ。怖いか?」

「怖くない…!!」

「結構結構。くそっ今夜は冷えるな。明日は早いさっさと寝るぞ」

花果は横になった三蔵の背中にくっついた。

「…今度は何だ?」

「夜にお師匠様がそのくしゃみをすると、朝にはよくお熱が出てるの。寝冷えしないように花果がひっついてあげる。」

「いらん!大の大人が野宿なんぞで風邪を引くか、ガキに気遣われるほど俺は弱ってない!」

花果をひっぺがして、放り捨てる。

「…三蔵なんか風邪ひいちゃえ!!ばか!!」

三蔵なんか大嫌い
大好きなお師匠様の姿をしてるとこが、一番キライ
花果はぐすぐす泣きながら、朝を迎えた。

三蔵が目を覚ますと、花果の予想通り体調が悪い。
ふと、背に目をやると…そこには花果の姿が。
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長安へと足を進める、2人。

「ねぇ、三蔵、もしかして熱があるんじゃない?」

「ない、熱などない」

花果の助けが欲しいって自分から言ってきたくせに、どうして三蔵っていちいち素直じゃないのかしら
三蔵は熱がどんどん上がり、ぐったりして倒れてしまう。

「三蔵三蔵!ねえしっかりして!」

花果は近くの民家に助けを求めた。
老夫婦が寝床を貸してくれた。

「何もないあばらやですが、ゆっくり休んでいって下さいな」

「ありがとう、おじいちゃんおばあちゃん。三蔵は野宿で風邪をこじらせちゃったの。一晩寝かせてもらえればきっと良くなるよ」

「三蔵さまというと、もしや西天に有り難いお経を取りに言っているという法師様」

「そうよ」

「そんな方が私らの家に来て下さるとはなんという幸運!」

そんな有名なお坊さんの名前だったんだ…
寝床でうめき声を上げる三蔵。

三蔵苦しそう。何か栄養のあるものを食べさせなきゃ。

「まだお外も明るいし、花果山菜とりに行ってくるよ。」

「おお、それならわしが案内しよう」

突然、三蔵が花果の手を握った。

「…行くな。すぐに夜になる。俺から離れるな」

「…三蔵。大丈夫!すぐ山菜持って帰ってきてあげるから、ここで大人しく寝てるのよ!」

死にそうな三蔵の手を振り払って、山菜とりへと出かけた。
花果が夢中になって採っていると、すっかり辺りは暗くなってきた。

「おじいちゃん?お家に帰ろう。おじいちゃん?」

じじはみるみる化け物の姿に変わっていった。
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夜は妖魔達の動く時間…

じじに化けていた妖魔が花果に襲いかかる。

怖い!怖いよう!
じゃあ、あのおばあちゃんも…三蔵が食べられちゃう!

花果は妖魔を振り返った。
花果は約束したんだもの、三蔵を長安につれてってやるって。
お師匠様をお助けするって。だから、逃げない!闘え、花果!!

「あんた達なんかに、三蔵を食べさせたりしないよ!!」

花果が近くにあった石を拾い、妖魔に投げつけようとした…その時、
呪文が聞こえ、妖魔が一瞬にして消えた。
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「三蔵…!生きてたの、良かった」

その場に倒れ込む、三蔵。

「三蔵、どうしたの…!」

「こんな所まで走らせやがって、俺を殺す気か…!!」

そのまま、気を失った。
走って、助けにきてくれたの…?

「大丈夫よ、花果が山菜たっぷり特製スープ作ってあげるから」

お師匠様じゃないってわかってるのに、うれしい
なんて、悔しいから言わない
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三蔵は色々隠してそうですね、実は皇帝なのかな?皇太子とかかな?
花果とよいコンビだと思います。






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2014-11-28